北のマチの長年の慣例によれば、お盆を過ぎると、加速度がついてあっという間に秋がやってくる。
それに従えば、今年の秋も間もなくやってくるのであろうが、ここ数日は、おい、どうした?と気象関係の責任者を問い詰めたいほど、蒸し暑い日々が続いた。それでも今朝は若干涼しいようだ。このままいってくれたらいいのに、と夏バテ気味の私は思う(お湯汲み問題も大いなる矛盾を抱えつつ、継続中だ)。
この夏、見落としていた重大なイベントがあった。
ビーチボーイズが来日していたのである。
むろん、ビーチボーイズといっても、反町氏のワイルドな驚愕歌唱と相まって名をはせた、かつてのテレビドラマではない。関係ないが、反町氏のボーカルスタイルはすごいな。舘氏や恭HEY氏に通じるものがある。何がすごいかは、直接的には言わないけど。
反町隆志「POISON」https://www.youtube.com/watch?v=HxcHtlespbQ
こっちのビーチボーイズは、
世界屈指のメロディメーカー、ブライアン・ウィルソン氏率いるビーチボーイズである。
あのブライアン氏の来日なのである。
知らない人のためにちょっと解説を。
ブライアン氏は、ビーチボーイズの元リーダーであり、ほとんどの楽曲を手掛けた天才音楽家だ。
しかし、1960年代、人気の絶頂期に精神を病み、奇行を繰り返し、グループを離脱。簡単にいうと、グループ離脱以降約30年にわたり、引きこもり生活をしてきたグレートなキャリアを持つ。彼の全盛期(それがいつなのか定義は難しいが、仮に60年代とすると)、サーフィンホットロッドというジャンルを確立し、ビートルズのポール氏とも音楽的な共鳴があったようだ。とにかく世界の音楽界に多大な影響を遺した偉人である。
わが国では山下達郎氏や大瀧詠一氏が、ブライアン音楽の伝道師的な役割を果たしてきたし、桑田佳祐氏は「白い恋人たち」のコーラスワークでビーチボーイズを意識した箇所(♪うーうぃーうー うーうぃーうぅぅぅぅぅぅー だばだー・・・)がある。(斬新な記述方法だ。これが書きたかっただけだ。スマン)。こんな一例を出すまでもなく、わが国の音楽業界の大御所たちに与えた影響もあまりにも大きい。
サイドストーリーを書きだすとキリがないが、とにかくブライアン氏は、発表した作品群があまりに素晴らしく、その才能のきらめきが圧倒的にまぶしすぎたために、病んで引きこもっちゃったあとも、世界中から常に再起を望まれてきた稀有な存在である。そこらへんが、普通のニートとは格がちがう。
それでも、90年代以降、徐々に復活し、ソロ活動をやったりやらなかったりしながら、イッてしまった遠因となった因縁のアルバム「SMILE」を20年越しで完成させ、ファンを喜ばせた(ライブ音源などを聴くと、あのブライアン氏が、生で、ここで歌っている!という点で成立しているようなところもある。たとえば老体の猪木氏がリングに上がりプロレスを見せる、卍固めでキメる、このこと自体が嬉しい、という感覚に似ている。ちがうか?)。
そんなこんなの離合集散、紆余曲折を経て、
ブライアン氏が属している状況で、この夏、ビーチボーイズが来日したのである。どうやら、スタジアムクラスの3か所でライブをおこなったようだ。もうちょっと情報を早く入手していたら、おそらく最後の日本公演となるであろう今回のライブを観てみたかったと、切歯扼腕の思いである(このありがたみは、むろん好みの問題である。スタジアムクラスが満員に埋まるのか、その需要の有無は私にはわからない)。
いまさらであるが、彼の作る楽曲には、魔性の魅力が備わっている。素直に美しい。
朝焼けの中で「ゴッドオンリーノーズ」のイントロを聴くだけで、生きる意欲がわいてくる。
THE BEACH BOYS 「GOD ONLY KNOWS」 https://www.youtube.com/watch?v=EkPy18xW1j8
(※タイトルを含め、リンク先を貼るなど一部加筆修正しました。2015.9.28)
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