街を歩いていると、
会いたい、会いたくない、の感情は別として、偶然知り合いに出くわすことがある。
こういった場合には、当たり障りのない挨拶や近況報告をして、サラッと別れるのが大人の所作なんだろうが、この引き際ってやつ、私には結構むずかしい(必ず間延びする)。
また、
お互い名前を十分認識していることを「知り合い」だとするならば、よりグレーな人「あれ誰だっけ?」のレートの人に会った場合、どんな対応をしたらいいものか。
2週前の土日(どっちだったか定かではない)。
場所は、ウインズ札幌A館の500円馬券売り場。馬券を買いに行っても普段の私ならばめったに足を踏み入れないエリアでのハナシだ(いうまでもなく私の主戦場は100円券売り場だ)。
時間はまだ午前中の早い時間で、人ごみが大きくなる前だった。
そこに
赤系統の派手な外套を羽織った「あれ誰だっけ?」が目の前に現れた。
誰だっけ?
同業他社の人か?
よく行く飲食店の常連か?
同じマンションの人か?
違うにしても近所の人か?
向こうも私をチラチラ見ている(ような気がする)。
誰だよお前?
困り果てた私は
とりあえず、相手に気づかれるかどうか微妙な会釈をしてみた。
そうしたら
相手も目礼を返す。
しかし、ここで気づいた!
この人は、厳密には私の知り合いじゃない。
私が一方的に知っている人だ。
結論を言えば、
その方は、道内民放のアナウンサーだった。
明るくて押し出しの強いキャラだった気がする。
しばらく画面で見ることはないが、すでに放送局を退職されているのだろう(後刻調査したところ、フリーアナウンサーという肩書きになっていた)。
勢いをつけて話しかける前に気づいて本当によかった。
あのまま話しかけていたとして、途中で気づき、代表的な出演番組を挙げて、ファンでしたなんていっても、嘘っぽいことこの上ない(しかし、彼の名前を思い出したとたん、昔の代表的出演番組も思い出した)。とにかく馬券を買いに来ただけなのに、微妙な私の会釈により彼にも微妙な有名税を払わせてしまった。
しかしこういった方々は、私のとった微妙な会釈などに慣れているのだろうか?
目礼がサマになっていたな。
申し訳ない気持ちが半分。
世間は忘れていないよ、という激励の気持ちが半分だ。
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