2013年2月6日水曜日

アンカツさんの勝負服

知らない人には全く分からない話題だろうが、また競馬の話を書く。

地方競馬から中央競馬への移籍を実現させたパイオニアジョッキー、安藤勝己(通称アンカツ)氏(52)が1月いっぱいをもって引退した。とにかく、ここ一番で無類の勝負強さを誇り、馬券を買う上で滅法頼りになる名ジョッキーだった。地方所属(笠松)時代には、かのオグリキャップに騎乗し7戦全勝、84年に刊行された山口瞳氏の「草競馬流浪記」には若き美少年だったアンカツ氏の描写が出てくるが、当時から才気あふれるジョッキーであったらしい。おつかれさまでした。

引退会見のアンカツ氏は、
幾分フックラした面持ちで、往年の精悍な印象とはずいぶん違っていた。思い返すと2年ほど前から騎乗する機会がグッと減り、ここ3か月ほどは全く騎乗しておらず、競馬ファンならば今引退の報を聞いても、さほどの衝撃はないだろう。ただ、この騎手が居ると居ないのとでは、レースの重みというか、厚みというか、バランスが大きく変わることも承知しているだろう。

そしてなにより競馬ファンならば、
アンカツ氏がいなかったら、
今の競馬界は全く違ったものになっていたであろうことも、容易に想像できるだろう。

会見の中でアンカツ氏は「体が硬くなり、馬と上手にコンタクトが取れなくなった」、「中央のGⅠレースを勝ちたいという気持ちが強くなり、JRAに移籍した」、「ビリーヴ号(馬の名前です)は、念願であった初GⅠ勝利をもたらしてくれた一番思い出深い馬」などと語った(発言の要旨です)。

ほーっと思った。
本当に偶然であるが、そして私自身ずっと忘れていたが、
アンカツ氏が会見で語ったGⅠ初勝利を飾った2003年の高松宮記念のビリーヴ号、私にも浅からぬ縁があるのだ。

なんと私、
その時のレースでアンカツさんが着用した勝負服、サイン入りで所有しているのだ。

(もしかしたら、レプリカかも知れません。ホンモノだとしたら、何故そんな貴重なモノ、俺が持ってる?ってハナシですわな)

経過を書くと、
同年の夏(もしかしたら違うかもしれない。翌年か翌々年かもしれない)、札幌競馬場で行われた馬主会が主催したチャリティーオークションにて、くだんのサイン入り勝負服を並み居る猛者を押しのけて、落札したのだ。むろん、結構なお値段だった。併せてクオカードも貰ったような憶えがある。

今、その現物は実家のタンスに真空パック状態で大切に仕舞ってあるが、襟首には「ビリーヴ号」とオーナーの名前が刺繍されたタグがついていた。胸元の左側にアンカツ氏のサインが書いてあった。

もしかしたら、当時オークション会場にて、レプリカです、本物です、というアナウンスがあったのかもしれない。けれど、何も覚えちゃいない。ただ、レプリカにしては大層なお値段だ。どっちにしろ、私の中の価値にゆらぎはない。

アンカツ氏は、通算でGⅠレースを22勝した(武豊氏、岡部幸雄氏に次ぐ歴代第3位の記録である)。まさに記録にも記憶にも残る騎手であった。その最初のGⅠ勝ちに、多少なりとも縁があるのは、なんとなく誇らしい。

ただ、この勝負服、今更ながらホンモノなのでしょうかね(くどいな)?

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