2015年8月23日日曜日

幼なじみと呑む

昨夜、以前に書いたことがある幼なじみパン屋さんのT君
と念願のサシ呑みを敢行した。春先の偶然の邂逅で呑むことを約して以来、お互いの都合がつかず、実現までに約半年を要した。まあそれでも、幼なじみ歴40年の間柄を考えれば、この程度のラグなんて宇宙における地球と月の距離みたいなもんだ。大したことではない。

俺が予約した某店に5分前に到着すると、すでにT君は来ていた。かけつけ一杯でグイッと乾杯し、そこから腰をすえて話に花を咲かせる。いやー、懐かしい共通の思い出が出るわ出るわ。こちらが忘れていたことをあちらが覚えていたり、またその逆があったり、今更ながら意外な発見があった。T君は幼い頃や高校生の頃と変わらずに穏やかだった。さらに彼が歩んできたであろう人生経験が重なり、すなわち、年相応のイイ大人になっていた。それがなんだかとても嬉しい。

俺は宴の途中から
自分に堆積した記憶の垢が削り取られるような不思議な感覚になった。会話から往時の映像が頭に浮かび、忘れていたはずの旧友や恩師の名前も頭をめぐる。それがさらなる呼び水となり、枝分かれして記憶が膨らんでいく。思い出した名前やエピソードを口から吐き出すと、今度は心が洗われて身が軽くなった気がした。共感しあえる仲間とは、実にありがたいものだ。

19時から呑みはじめ、気がつけばあっという間に23時。
ずーっと同じ店でジョッキを2杯、芋ロックを4杯。この某店は、価格もそこそこ張り、めったに来れないけれど、知らない仲でもないマスターがやっている俺の贔屓の店だ。牛タンのメニューが主力だが、何をオーダーしても美味いものばかりだ。T君とのサシ呑みには、ちょうどいいチョイスだった。


終盤、「どうしても聞いておきたいことがあったんだ」とT君は俺に問いかけてきた。
「どうして転校してきて半年経つか経たないかというときに、生徒会長に立候補したの?」

そうだった。俺は最北のマチの中学に転校し、ほどなく、なんのはずみか生徒会長をやったことがあった。T君は幼なじみの俺が、そんな役職に手を上げる人だとは思っていなかったのだろう。たしかに俺もそんな面倒なものに興味はなかったと思う。何故そんな大それたことをやったのかな。プッチンというあだ名の学級担任に呼び出されて、お前やれ!って言われたんだったか。いや、それはちがう場面でのハナシだったか。なんだか外堀を埋められて、ヤバイしまった!と思ったのと、サザンの「KAMAKURA」ばかり聴いていた記憶はあるのだけど・・・

T君によると、どうやら中学高校の頃の俺はなかなかの人気者だったらしい。ただ、その人気はジャニーズ系のそれではなく、ゴン中山氏のような感じだったそうだ。

うーん、ゴン中山・・・。悪くはないけど、モテた記憶がないのは、そのためだったのか。

T君も随分とドラマチックな経験を積んできて、今に至っていた。技術的なことは何もわからないし、ドラマチックな経験の微細はここには書けないけど、T君の作ったパンがしみじみ美味い理由は、よくわかった。

またパンを買いに行きます。
楽しい一夜をどうもありがとう。

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