2012年11月19日月曜日

近いうち、の賞味期限

驚いた。

野田首相が11月16日、大胆にも衆議解散に舵を切った。
「近いうち」の約束事は、3ヶ月以上かけて成就したらしい。

私は特定政党に加味するものではないが、
解散する意思を公に知らしめた、11月14日の首相と安倍自民総裁とのクエスチョンタイム(党首同士の国会内での公開討論のことを英国風にこう言うらしい)において、眼がイッちまった感じで首相が「16日、解散してもかまわない!やりましょう!」と言い切ったとき、相対する席において「へ?」という虚をつかれた表情の安倍氏を見て、思わず笑ってしまった。

テレビは正直であり残酷だ。
政治家としての資質では野田>安倍っていう感じが明らかだった。アベ氏、油断してたか。政党間の力関係は抜きにして、個人対個人では圧倒的に勝負あった、と見えてしまった。

しかし現状では、私が感じた野田>安倍なんて図式は、ほんの瑣末でしかなく、解散の激流下では現政権は下野することが必至らしい。振り子は、もと来たほうに振れるのが必然だ。

これに加えて、ちまたでは、第3極(この言葉も耳障りがよい、ずいぶんと怪しい言葉だ)とされる人々の派手な振る舞いが、報道されまくりだ。彼らも多少、メッキは剥がれ気味ではあるが、私たちは、どうやらハトヤマ・オザワに走ったように、またこの国を変えてくれる(ニセモノかもしれない)救世主を潜在的に探しているようだ。結局、誰がやっても、そんなに変わることができないことを知ってしまったのに、それでも(ニセモノかもしれない)救世主にすがりたいのだ。

しかし正直、次の主役が自民でも第3極でも、どちらであっても、一向に構わない。
3年前、民主党病に罹ったような状況を思い出すまでもなく、何と言っても彼らを選ぶ(選んだ)のは、俺ら有権者なのである。

そう考えていくと、俺らって、これまた相当いい加減なものだ。
選挙後に彼らを批判することは、自分たちの選球眼が悪かった、センスのないセレクトをしてしまった、とっても恥ずかしいことである、ということを思い知るべきである。

そもそも、大の大人(投票する奴らは、みんな有権者なのだから大人だろ?)が、自分の幸せを他人に作ってもらおうなんて、どんだけ都合のいい考えなのか。

今からでも遅くはあるまい。
私は悔い改めようと思う。

2012年11月14日水曜日

大人の世界

11月も半ばに入り、ようやく今月はじめての更新である。
7月以降、月別の更新回数を見ると、明らかに右肩下がりのジリ貧状態になっている。

ネタ切れかよ?と思われる方もいるだろう。
飽きたのか?と思われる方もいるだろう。
貴様の筆力では、もはやここまでよ、と思われる方もいるだろう。

けど、ちがう。
ちがう、ちがう、そうじゃ、そうじゃない。
実際には書けてないけど、そうじゃない。

このごろ私の周りには、なにかと面白い出来事が連続して起こり、書きたいネタ、あるいは、書いたらヤバイよなあ、という微妙なやつが、けっこう溜まっている。たとえば、失踪、不倫、すっぽかし、アホになったふり、本当のアホ、などなど(身近で読んでる人、察してくれ)。

しかし、逆にいろんなことがありすぎるがゆえ、帰宅してもPCを立ち上げる気力がわかず、気がつくと連日、テレビのリモコンばかりを手にしているのが実情だ。テレビってこわいな(ディーガ君がいろんなもの録画してくれるから、セットしたこっちのほうが追いつかない。「相棒」なんて4週分も見てないままだ)。

そんな11月、商売柄、土日は定休のはずなのだが、いろいろあって2週続けて休日出勤となった。出勤したうちの1週は、小さい組織ながらも来春に新入社員を採用するための、入社試験の手伝いだった。詳細に書いてもあれなので(何なんだ?)、仮に5名の受験者がいて、1名を採用するという条件であった、としよう。無論、私には採用権限はないが、所管部門から頼まれて人物評価をして、点数を付ける作業をした(直接的な影響はないが間接的に一応の参考にするそうだ)。

その中で、何をどう間違ったのか、うちも大した組織じゃないが、君は何故うちを志望した?という人物が混在していた。若者らしい覇気がなく、言動も無責任でだらしない、作文は意味不明、字も汚い(私にはそう見えた)。当然、自信満々で辛い点を付けた。二度と会うこともないだろう、とも思った。

ところが、である。
その人物が、採用内定となったのである。
ん?そこまで俺の見る目が乖離しているか?と自分のセンスにあせった。

しかし、集計表を見たところ、再度、ん?となった。その人物にだけ、かつてのボクシングの世界戦を思い出させる、どんだけ買収したらこんな点がつくんだ?という露骨な数字が踊っていた。

氏名を確認したら、これまた、ん?となった。
この地域でけっこうな縁故関係をもつ有力者の姓である。おまけに、私はかつてそいつの血族(多分、実父だ)に激しく厭な思いをさせられた過去がある(気づかれぬように仕事でキッチリやり返してやったことがある)。とにかく、こいつが内定となるのは、こいつのチカラじゃない。血のチカラだ(もう断言しちゃうぞ)。

出来レースなら、ほかの受験者に失礼きわまりない。こんな大人たちの一味として、申し訳なく思う。社会の成り立ちの一部を見せつけられた厭な一日だった。

苦いぜ。