地下鉄に乗ると、最近やけに目につくのが、ベターッと貼られた車内一面の黄色い広告。それは、ゴッホ展のお知らせだ。
道立近代美術館でゴッホ展をやっているそうだ。よく読むと「札幌に奇跡の集結」とか書いてある。ほー、集まってきたか。ゴッホさんの絵には、足が生えていて、一枚一枚飛行機で札幌に来たような錯覚をする。いや、しない。
自慢じゃないが、芸術方面には激しく疎い俺でも、ゴッホさんの名前くらいは知っている。ひまわりの絵や自画像の絵くらいもギリギリ知っている。せっかく札幌に奇跡の集結をしたならば、ゴッホさんを見ておくのも一興だ。名画を鑑賞するなんて、秋だなぁ。
で、差し障りのない日に、ひとりでコッソリ行ってみた。あいにく俺の周りには、絵画を愛でる趣味人は、絶無だ。ならばひとりで行くしかない。アウェー感はハンパではない。
入り口で、1500円を払い、いよいよご対面。いきなり、 自画像の絵が出てきた。ナマだよ、ナマ。なんだか木っ端な看板の裏に書いたみたいなものも飾ってある。弘法は筆を選ばないのか。
あと、ゴッホさんだけでなく、歌川広重さんの作品もたくさん飾ってある。解説によると、日本のこういった作品に、ゴッホさんは、かなり影響を受けたらしい。広重さんの作品は、ニトリ所蔵となっていた。やるな道産子。さすが、お値段以上だ。
ジックリと1時間半。意外と空いていたので、一枚の絵を近くで見たり、遠くで見たり、うなずいたり首をひねったりしながら、モトを取ろうと俺なりに時間をかけた。セコイ。しかし、何の素養もない俺であっても、数枚の絵には、ズーンと感じ入るものがあった。
で、全部を見終わった素人の率直な感想は、ゴッホさんは、きっと気を病んでいたんだろうな、ということ。ほとんどの作品が、狂気が根源にあるという感じがする。色の使い方も、絵の具の乗せ方?も、あれを普通にやってるとしたら、常人でない。オッカナイ色なんだよな。天才と何だかは紙一重。まさにそれだろうな。